第45代横綱

若乃花 幹士

 “土俵の鬼”のあだ名にふさわしく、土俵上での眼光は鋭く、大技を繰り出した。若乃花の実家は青森でリンゴ農家だったが、台風で全滅。夜逃げ同然で室蘭に移住した。ここでアルバイトで重労働に従事したことが下半身を強くし、体の基礎ができた。その後の猛稽古で鍛え上げた足腰はバネそのもの。足が俵にかかるとテコでも動かず、かかとに目があるといわれた。軽量だったが、どんな大きな相手にも真っ向から対戦、右上手投げや、仏壇返しといわれた呼び戻しは実に豪快だった。関脇のときに横綱千代の山と17分15秒の熱戦を繰り広げ(結果は引き分け)、この相撲が評価され大関に昇進した。大関時代には愛児がチャンコ鍋をひっくり返し熱湯を浴びて死んでしまうという悲劇が起こり、場所には数珠をかけて臨み、初日から12連勝するも無念の休場となる。横綱になってからは度々ライバルの栃錦と熱戦を繰り広げるなど、人々の記憶に強く残る力士だった。大関になって以降は皆勤した場所すべてで2ケタの勝ち星を挙げた。引退後は二子山親方となり、年の離れた弟の貴ノ花をスパルタで鍛えるなど、土俵の鬼ぶりは健在だった。そののち理事長となり定年で退職するのだが、退職直前の場所で甥の貴花田が優勝し、賜杯を自らの手で渡すことができたのは運命的なことだった。優勝10回。


年月成  績決定戦金 星
33. 312●○○○○○○○○○○○●○●@信夫山
33. 511○○○○○○○○○○○●●●●K鶴ヶ嶺
33. 713●○○○○○○○○○○○●○○@出羽錦
33. 914○○○○○○○○○○○○○○●
33.1112○○○○○○△●○○○○○○●G安念山
34. 114○○○○○○○○○○○○●○○
34. 312○○○○○○○○●○○○○●●H北の洋
34. 514○○○○○○○○○○○○●○○
34. 711●○○○○○○○○●○○○●●@岩 風
34. 914○○○○●○○○○○○○○○○D成 山
34.1111○○○○○●○○○○●○○●●E大 晃
35. 112●●■やややややややややややや@岩 風
35. 315○○○○○○○○○○○○○○○
35. 513○○○○○○○○○●○○●○○
35. 713○○○○○●○○○○○○●○○E冨士錦
35. 913○○○○○○○○●○○○○○●
35.11○●○○●○○●■ややややややA大 晃 D若前田 G房 錦
36. 112○○○○○○○○●○○○●●○
36. 315ややややややややややややややや
36. 510○○○●○○●●○○○○●○●C鶴ヶ嶺 F安念山
36. 7○●○○●●■ややややややややB鶴ヶ嶺 E佐田山
36. 910○○○○●●○○○○●○○●●D大 晃 E出羽錦
36.1111○○○●○○○●○○○●○○●C羽黒花
37. 111○●○○○○○●○●○○○○●A若前田 G青ノ里
37. 313●■ややややややややややややや
37. 5番付には記載
254勝66敗 1分54休、勝率.794、在位25場所配給22個