長崎県の五島列島出身。体には恵まれなかったが真正面から勝負を挑み、努力でついには綱を張った人。本名の佐々田から佐田の山の四股名となった。兄弟子の出羽錦に言われたとおり、突き押しに徹した猛稽古で着実に昇進、入幕わずか3場所目に平幕優勝を果たした。翌場所は番付を大きく上げながらも11勝を挙げた。関脇4場所目の昭和37年3月に優勝決定戦で大鵬を破って2回目の優勝で大関昇進を決めた。その後大関時代が3年ほど続いたが、3度目の優勝を果たすと「平幕優勝は横綱になれぬ」というジンクスを破って横綱に昇進した。安定した四つ身、投げ、吊りで、横綱としては平均点以上の成績を残した。42年九州場所・43年初場所と連覇を果たしたが、その翌場所に高見山に一方的な相撲をとられて敗れると今まで支えてきた気力が無くなったのか、潔く引退した。大鵬との対戦成績は5勝27敗。優勝したどの場所も本割では大鵬に勝っておらず、3場所連続13勝で横綱に昇進したときも3場所とも大鵬に敗れるなど、大鵬には大いに苦しめられた。そのためか印象に残る一番には優勝決定戦で大鵬を破った一番を挙げた。引退してからは出羽海を襲名して名門復活に力を注ぎ、また理事長になってからは協会運営にあたった。「もし大鵬がいなければもっと優勝できたのでは」という問いに「大鵬がいたからこそここまで強くなれたのだ」と答えたのが印象に残っている。優勝6回。 |
年月 | 勝 | 敗 | 休 | 成 績 | 決定戦 | 金 星 | |
40. 3 | 12 | 3 | ●○○○○○○●○○○○○○● | G玉乃島 | |||
40. 5 | 14 | 1 | ●○○○○○○○○○○○○○□ | ||||
40. 7 | 12 | 3 | ○○○○○○○○○○○●○●● | ||||
40. 9 | 12 | 3 | ○○○○○●○○●○●○○○○ | ● | E富士錦 H琴 櫻 | ||
40.11 | 11 | 4 | ○○●○○○○○○○●○●●○ | B清 國 | |||
41. 1 | 5 | 6 | 4 | ●○○●○○○●●●■やややや | @淺瀬川 C栃王山 G長谷川 H大 豪 | ||
41. 3 | 5 | 5 | 5 | ○○●○○●●○●■ややややや | B若見山 E豊 國 H玉乃島 | ||
41. 5 | 0 | 0 | 15 | ややややややややややややややや | |||
41. 7 | 11 | 4 | ○○○○○○○○○●○○●●● | I清 國 | |||
41. 9 | 12 | 3 | ○○○●○●○○○○○○●○○ | C麒麟児 | |||
41.11 | 10 | 5 | ○●○○○○○○○●○○●●● | A高鐵山 | |||
42. 1 | 14 | 1 | ○○○○○○○○○○○○○●○ | ||||
42. 3 | 9 | 6 | ○○●○○●○○●○○●○●● | B藤ノ川 | |||
42. 5 | 12 | 3 | ○○○○○○○○○○●○●●○ | ||||
42. 7 | 10 | 5 | ○○●○○○○●○○○●○●● | G豊 國 | |||
42. 9 | 12 | 3 | ○●○○○○○○○○●○●○○ | ||||
42.11 | 12 | 3 | ○○○○○○●○○○●●○○○ | F明武谷 | |||
43. 1 | 13 | 2 | ○○○○○○○●○○○○○●○ | ||||
43. 3 | 2 | 4 | ○●○●●■ | A長谷川 C高見山 | |||
188勝64敗24休、勝率.746、在位19場所 | 配給19個 |